[11/7~] インド資金調達まとめ – 物流プラットフォーム / カーシェア / 公務員試験対策

今週は10社のスタートアップが合計で$97Mの資金調達を行いました。

その中で特に気になった4社をご紹介します。

 

JustRide [カーレンタル]

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ブリッジ($3M):Justin Kan, Qasar Younis, Paul Buccheit, Susa Ventures, Kima Ventures, Axan Venture

カーシェアサービスを運営するJustRideがYコンビネーターのパートナーJustin KanやCOOのQasar Younisなどから$3Mを調達しました。今回のラウンドに日本のクラウドワークスも参加しています。

Justrideは個人が自分の車を貸し出すことで収益を得ることができるマーケットプレイスJustConnectとドライバーの運転スキルを計測するIOTデバイスYabberを開発しています。

JustConnect上に貸出登録された車は、一ヶ月で平均13回使用され、合計約8-10万円の利益を生みます。そのうちの25%がJustrideの手数料となり、残りの75%が車の貸し手に渡されます。インドの新卒平均月収は3-5万円程度のため、車を貸し出すことで月収2倍となります。また、今後Yabberによってドライバーの運転スキルを可視化し、それを基準に料金設定をしていく予定です。

競合にはZoomcarCarzonrentRevvがあります。Zoomcarは2016年7月にフォードから$24Mを調達しています。

以下クラウドワークスのプレスリリースから抜粋。

個人間のカーシェアリングマーケットプレイス「JustRide」をインド市場で展開。サービス開始1年で既に国内3都市で展開、7,000回以上のレンタルが行われる。2016年11月にトヨタ自動車株式会社から戦略的出資発表で話題となった米国カーシェアリングサービスGetaround社と同様のビジネスモデルをとり、自動車所有率6%といわれるインド市場での、期待株として注目されている

 

Rivigo [物流プラットフォーム]

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シリーズC($75M):Warburg Pincus

物流プラットフォームを運営するRivigoがUS系PEファンドWarburg PincusからシリーズCで$75Mを調達しました。合計調達金額は$105Mにのぼります。

Warburg PincusはインドのEC向け物流のEcom Expressと3PL型物流企業Stellar Value Chain Solutions、そしてUSのOfferUpやインドネシアのGo-Jekにも投資しています。

Rivigoはインド全土に40の物流センターと約1500台のトラック、3000人以上の従業員を抱えており、EC企業、医薬品メーカー、自動車会社、飲料・食品・化粧品などの消費財会社、家電メーカーなど幅広いクライアントに幹線輸送サービスを提供しています。提供する配送サービスには3種類あり、チャーター便で配送を行うFTL(フルトラックロード)、トラックの一部の区画で配送を行うPTL(パートトラックロード)、コールドチェーン配送です。Rivigoは2020年までにインド最大の物流企業になるという目標を掲げています。

インドの物流市場には中小や個人の配送業者が多く、企業は配送時間やコスト問題に頭を悩ませてきました。こうした状況をテクノロジーを利用して解決しようと多くのスタートアップが参入しています。インドの物流マーケットまとめ記事も近々書きたいと思います。

 

Square Yards [不動産仲介プラットフォーム]

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ベンチャー($12M):Reliance Group

不動産仲介プラットフォームを運営するSquare Yardsがインドの財閥Reliance GroupのPE部門から$12Mを調達しました。

Square YardsはNRI(Non-resident Indian)と呼ばれる海外在住のインド人を特にターゲットとする不動産仲介プラットフォームで、世界10か国に1100人の従業員を抱えています。

今回の調達により、Reliance Groupの抱える経験やコンシューマービジネスのスケール方法のノウハウを活用し、さらなる成長を目指します。

 

OnlineTyari [公務員試験対策アプリ]

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シリーズA($2.1M):Michael & Susan Dell Foundation

公務員試験対策アプリを運営するOnlineTyariが、Dell創業者のMichael氏と妻のSusan氏による財団Michael & Susan Dell FoundationからシリーズAで$2.1Mを調達しました。調達額は対応言語の増加や対応試験範囲の拡充、テクノロジーなどに使用されます。

OnlineTyariはインド国内のローカル言語に対応しており、公務員や銀行の入社試験対策サービスを提供しています。インド国内の予備校や個人チューターと提携し、インドの地方出身者や低所得層の学生がクオリティの高い教育を届けることを目指しています。これまでに350万ダウンロード、40万DAUを達成していると発表しています。

 

【その他の資金調達を発表したスタートアップ】

Browntape:EC出店ブランド向けSaaS

iimjobs:エグゼクティブジョブサーチ

AsepsisLife:ワクチン管理サービス

Altigreen:クリーンテックスタートアップ

GolfLAN:オンラインゴルフコミュニティ・マーケットプレイス

ToneTag:非接触型決済ソリューション

 

【M&A・ビッグニュース】

  • ソフトバンクが投資先のオンデマンドタクシーOla CabとECサイトSnapdealのバリュエーションを引き下げました。Ola CabはUber、SnapdealはAmazonにシェアを奪われつつあります。投資環境の悪化もあり、両者は次の資金調達ラウンドに進むことができていません。
    参考:ソフトバンク、インドのOlaとSnapdealに対する出資で、両社のバリュエーションを切り下げ by The Bridge
  • インドEC最大手のFlipkartも同様の状況にあります。投資信託ファンドValicとFidelityが、保有しているFlipkart株のバリュエーションを引き下げました。彼らは$6M程度というごく少数の株式しか保有していませんが、さらなる資金調達を計画しているFlipkartにとっては悪いニュースです。今回以外にも複数の投資家からのバリュエーション引き下げにより、Flipkartのバリュエーションは150億ドルから90〜100億ドルに下落しています。

 

参考:Funding Galore: Startup Fundings Of The Week [7 November – 12 November]

サイバーエージェントベンチャーズのインド投資リサーチャーとしてインド在住。大学時代に休学し、インドで不動産事業立ち上げとEdtechスタートアップQuipperでインターン。今後20年間でインド、東南アジア、アフリカで起こるであろう経済成長と社会変化に携わりたく現地で奮闘中。

河野 優人(Yuto Kono)

サイバーエージェントベンチャーズのインド投資リサーチャーとしてインド在住。大学時代に休学し、インドで不動産事業立ち上げとEdtechスタートアップQuipperでインターン。今後20年間でインド、東南アジア、アフリカで起こるであろう経済成長と社会変化に携わりたく現地で奮闘中。