[10/17~] インド資金調達まとめ – ベビー用品EC / ニュースアプリ / ロボット資産運用

今週は20社のスタートアップが合計で$94Mの資金調達を行いました。

その中で特に気になった4社をご紹介します。

 

FirstCry [ベビー用品EC]

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ベンチャー($34M):Mahindra Group, Adveq, Kris Gopalakrishnan

ベビー用品のECサイトとオフライン店舗を展開するFirstCryがインドの財閥の1つMahindra GroupとスイスのPEファンドAdveq、既存投資家から$34Mを調達しました。AdveqはメガネECのLenskartにも投資していますね。FirstCryはこれまでに SAIF Partners, NEA, IDG Ventures Indiaなどから合計$125Mを調達しています。

今回の資金調達と同時にFirstCryはMahindra Retail傘下で、競合のBabyoyeを買収しています。Mahindra Retailは2015年2月にBabyoyeを買収していました。今回の買収によって、FirstCryのオフライン店舗180にBabyoyeの120店舗が加わり、合計300店舗をインド125都市で展開することとなります。さらにMahindra Retailのプライベートブランド商品もFirstCryの商品棚に追加されます。

今回の買収により、ベビー用品EC・オフライン店舗領域で大きくリードしたFirstCryに対して、競合するのは映画ソーシャルネットワークで不当な株式希薄化により裁判を起こしたEduardo Saverin氏などから$25Mを調達するHopScotchくらいですかね。

 

DailyHunt [ニュースアプリ]

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シリーズD($25M):Bytedance, Matrix Partners India, Sequoia Capital India, Omidyar Network

ニュース&電子書籍アプリを運営するDailyHuntは中国のニュースアプリBytedanceをリードに$25Mを調達しました。同時にBytedanceのCEOであるZhang Yiming氏が取締役に就任するようです。DailyHuntはこれまでにMatrix Partners India, Sequoia Capital India, Omidyar Networkなどから合計$83Mを調達しています。

NewsHuntはグノシーのようなイメージで、インド12言語以上、100以上のパブリッシャーのニュースコンテンツをアグリゲートしています。さらに本や雑誌といった電子書籍のマーケットプレイスも提供しています。アプリダウンロード数は1.2億を超え、2800万MAUを達成、年間売上は現在Rs 100 crore(約16億円)を超えています。2020年までにMAU1.5-2億、売上Rs 1,500 crore(約230億円)を目指しています。

NewsHuntの強みの1つにローカル言語対応がありますね。インド約13.5億人のうち英語での読み書きがスムーズにできるのは10%前後つまり1-1.5億人と言われており、残りの約12億人はヒンディー語やベンガル語、タミル語などのローカル言語を日常的に使用しています。これから新たにインターネットにアクセスするインドの人々のほとんどはこうしたローカル言語層が占めることになります。

 

Furlenco [家具レンタル]

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シリーズB($30M):Lightbox Ventures, Axis Capital

家具レンタルサービスを提供するFurlencoがエクイティとデットで$15Mずつ調達しました。エクイティはLightbox Venturesをリードに、デットは銀行やノンバンクなどから調達したようです。

Furlencoは家具を買ってそれらを貸しているだけではありません。社内にデザイナーを抱え、オリジナル家具の製造も開始しています。Furlencoはこれまでに1.5万世帯に合計$20M分の家具を貸し出しており、家具の稼働率はなんと95%だそうです。

競合にはAccel PartnersとIDG Ventures Indiaから合計$7Mを調達するRentomojoがありますね。

 

Fisdom [ロボット資産運用]

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シード($1.1M):Saama Capital

ロボット資産運用サービスを提供するFisdomがSaama Capitalからシードで$1.1Mを調達しました。調達額はチーム拡大とユーザー獲得に使用されます。CEOの Subramanya SV氏は元Bessemer Venture Partnersのパートナーですね。

インド人は金融の知識不足や時間不足などの理由で資本市場に投資をせずに銀行に資産を預け入れており、総額$1.35 trillion(約135兆円)が銀行預金されているようです。Fisdomはアルゴリズムを利用してこのマーケットにメスを入れようとしています。

日本でも資産運用ロボアドバイザー領域にはTHEOウェルスナビのようなスタートアップも参入し、盛り上がりつつありますね。

 

【その他の資金調達を発表したスタートアップ】

3Dexter:3Dデザイン・モデリング教育サービス

ShieldSquare:Webセキュリティーサービス

Studio Coppre:手工芸品ECサイト

Babychakra:子育てポータルサイト

Yumigo:旅行関連サービスディスカバリー

Rooter:スポーツファンSNS

Trilyo:レストラン向けSaaS

Kidsstoppress:子育てメディア

Mykindofjob:アルバイト探しサイト

Tazzo:バイクレンタル

Hipcask:オンラインギフトサービス

Epaathsala:教育機関向けERP

ChatOnGo:B2Bネットワーク

Solutions Infini:ビジネス向けメッセージプラットフォーム

Aadyah:航空・防衛テクノロジー

Bharosa Club:資産運用ロボアドバイザー

 

【M&A・ビッグニュース】

  1. インド最大手のオンライントラベルサービスでNasdaq上場企業Makemytripが、Naspers傘下の大手トラベルサービスIbibo Groupを買収しました。今回の買収は株式交換のため、Ibibo株主のNaspersTencentがMakemytripの株式を合計40%保有することとなります。MakemytripとIbiboの合併後の時価総額は$1.8B(約1800億円)となるようです。

 

 

参考:Funding Galore: Startup Fundings Of The Week [17 October – 22 October]

 

サイバーエージェントベンチャーズのインド投資リサーチャーとしてインド在住。大学時代に休学し、インドで不動産事業立ち上げとEdtechスタートアップQuipperでインターン。今後20年間でインド、東南アジア、アフリカで起こるであろう経済成長と社会変化に携わりたく現地で奮闘中。

河野 優人(Yuto Kono)

サイバーエージェントベンチャーズのインド投資リサーチャーとしてインド在住。大学時代に休学し、インドで不動産事業立ち上げとEdtechスタートアップQuipperでインターン。今後20年間でインド、東南アジア、アフリカで起こるであろう経済成長と社会変化に携わりたく現地で奮闘中。